なぜ、コロンボ刑事は最後にひとつ質問をしたのか

かなり古い話で恐縮だが、刑事コロンボというアメリカのドラマをご存じだろうか。刑事コロンボには「ウチのカミさんがね…」などという数々の名セリフがある。そのひとつに、犯人と目星をつけた相手のところに出向き、ひと通り聞き込みを終え、さらにしらを切り続ける相手に対し、一度は帰りかけたコロンボが振り向きざまに「最後にひとつだけ…」という核心に迫る質問をするというものがある。その質問に対する相手の動揺でコロンボはその人物が犯人であると確信する。 

この去り際のひと言は、相手(犯人)が難局を乗り切ったと心理的に安心した一瞬を突いたもので、相手の動きや体全体で本音を引き出そうとする高度なコミュニケーションテクニックだ。