先日、都内の研修センターで、タクシーを呼んでもらい最寄り駅まで乗車した。駅までの道すがら、同世代のタクシードライバーと何気ない雑談をしたときのこと、「大久保様の仰るように…」というドライバーの発するひと言に、私は思わず笑顔が出てしまった。乗車してから私はこのドライバーに自己紹介などしていない。ドライバーも私を乗せるのは初めて。研修センターでタクシーを呼ぶ際に、スタッフから名前を聞かれたので自分の名前を伝えた、それが唯一、彼が私の名前を知る理由だった。
「お客様は…」と言われるよりも、自分の名前を呼ばれることは嬉しいものだ。
しっかりしたホテルなどではチェックインの際に名前を伝えると、そこから先はすべて名前で呼ばれるのが当たり前、何度か宿泊するホテルでは、こちらより先にスタッフの方から「大久保様、いつもありがとうございます」という声掛けをしてくれる。これもやはり特別感、一見の客ではないぞという、そのホテルに対する帰属意識が生まれる。
同じように、お客様の満足感を充足させるための接客では、
なぜ、タクシードライバーは私を名前で呼んだのか
