なぜ、ライオンは目の前の獲物を見過ごすのか

 百獣の王ライオンは、空腹が満たされると、たとえ目の前に獲物になる動物がいても、狩りをせずに見過ごすという逸話を聞いたことがある。真偽は別として何とも余裕のある話だ。
 私たち人間は、ライオンのように、生物学的に本能で獲物を追いかけることはない。では経済活動など社会生活的にはどうか。
 自動車販売という仕事で考える。販売について言えば当然見込み客が私たちのターゲットであり獲物である。実績の振るわない営業マンはこの獲物であるターゲット、見込み客の発掘で苦労している。それでも新規来店客の多いお店やブランドでは、次から次へと新たなお客様がやってくる。それを抜け目なく成約に導けばよい。
 だが問題は新規来店客は永遠には続かないという点だ。そう考えると新規客頼みは、どんなブランドでも不安定になる。だから既納客を大切にし代替や増車、紹介を狙う。
 いま時はこの業界も来店型と言われている。綺麗に整えたショールームにメンテナンスパックなどで既納客が来店する仕組みも出来上っている。