なぜ、私は簡単に帰ってきてしまったのか

 気になるクルマがあって、そのクルマの勉強がてらディーラーに足を運んだ。
 どうせディーラーに行くのなら、競合車も一緒に勉強しようと思い、複数のディーラーへ、同じカテゴリーのクルマを物色するお客様になり切って臨んだ。
 私はロープレでもディーラーへ行く際も演じる自分の役に付いてはバックボーンまで細かく設定する。今回は家内が乗るセカンドカーを探している風を演じ、急いでないけどペーパードライバーの家内に、お盆休みに運転の練習をさせたいという、自覚はないが実は割とギリギリといった言葉を発するようにした。
 日曜日の昼過ぎ、閑散とした店舗を選んで入店したにもかかわらず、カタログを渡されて、グレードの説明をされた店舗がほとんど、結果的にはどこも商談には至らない。
 かろうじてどの店も営業マンに名刺はいただいたが、私にも家内に対しもアンケートの勧めもなければ、名前を聞いてきた営業マンすらいなかった。
 商品説明についても、どの営業マンもグレードの違いが主な説明のポイント。その中でハイブリッド車や装備の違いがあるが、どのグレードが良いかと聞く営業マンもいた。素人ではどのグレードが自分に合っているのか判断が付かない場合が多いのに。