今回は少し視点を変えて、私自身の話をしたい。もちろんいい話ではな。そのころを知る当時の同僚などから、酒の席で当時のことを語られると耳が痛い。
私は昔から、人前で何か主張するようなディベートや弁論大会などは得意だった。
そんな風であったので、メーカーの新入社員研修では、自分で言うのも憚られるが、代議士などと呼ばれていた。しかしそれが後々痛い目を見るきっかけとなることなど、そのころの私には知る由もない。
クルマが好きだった。営業に対しての自信もあり、顧客満足を追いかけた。だがそれは、今思えば顧客満足を追いかけているという自分が好きなだけ。典型的な自己満足に溺れる営業マンだった。
それは普段の営業スタイルにも如実に出ていた。自分の商品説明に酔うがごとくつらつら並べる商品説明は立て板に水。聞いたはずのお客様ニーズなどすでにどこかへ飛んでしまっている。途中、お客様から自分の使い方にはクルマの特性があっていないと指摘されると、真っ向から否定。「だってこんなに良いんですよ」と言わんばかりで反論を繰り広げ言い負かす。論理なら負けないのだ。
なぜ、その時私はお客様に怒鳴られたのか
