連日、映画館で満席を出している映画がある。イギリスのロックバンド、クイーンのフレディー・マーキュリーの人生を追った「ボヘミアン・ラプソディー」がそれだ。
比較的映画館で映画をよく見る私でも、公開前は映画館に貼られるポスター以外でこの映画の広告を見かけることは少なく、よくあるコアなファンを対象とした往年のスターの伝記的な映画なのかとばかり思っていた。それゆえ、他の映画で気になっているものは数多くあったが、実はこの映画は正直なところノーマークであり、期待どころか話題にすることもなかった。そしてどうやらノーマークは、私に限らず世間も同じだったようだ。
公開直後は緩やかな滑り出し。しかし週を追うにつれ徐々に観客動員数を増やし、12月に入ると週末はどこの映画館も満席になる盛況ぶり。当時クイーンを聴いていたファン層は今や50代半ばから70代で、流行に飛びつく年代ではないため客数の伸びが緩やかだったのでは…などと言われるが、それも事実とは少し違うらしい。
映画館の客数を押し上げているのは、往年のファンではなく、クイーンをリアルタイムでは経験していない10代や20代の若い世代だという。
なぜ、映画「ボヘミアン・ラプソディー」はヒットしたのか
