なぜ、優れたマネジャーは顔を上げて話を聞くのか

 昭和の頃のスポーツ指導は、根性と精神論中心のパワハラやちょっとした暴力的な指導が至る所で見受けられていた。今ではもちろんそれらは非難の対象となる。
 平成の間で指導方法も変化する。選手自身になりたい姿や目標を自ら定めさせ、上手くできたことを褒めて伸ばすコーチングスタイルが広く行われるようになった。
 それにつれて、社会全体で極端に厳しい叱責は悪という空気が定着し、過度な指導による行き過ぎた言葉はパワハラだと糾弾の的となった。そこで指導方法ががらりと変わる。厳しかった指導者は極端な叱責を止めた。それは良いのだが褒めることができない人が多い。相手の顔を見て話をじっくり聞くことがどうにも苦手で、上手く指導ができないというのだ。逆に言えばこれができる指導者は結果を残していると言ってよい。
 自動車業界も他人ごとではない。いま時の自動車販売店はどこも忙しい。昭和はもちろんのこと平成半ばと比べても格段に忙しくなっている。