なぜ、不動産業者は諦めなかったのか

 私事で恐縮だが、先日、以前住んでいた自宅の売却契約を執り行った。この物件は複数人のよる所有権が設定されており、家族間の意見の相違もあり、正直なところかなり面倒な案件。売却契約に至るまでにはかなりの時間と労力を要した。
 その間、私が売却を依頼した不動産業者の担当者は、面倒な案件にも関わらず、私も含め、複数の所有者に対しよく意見を聞き、根気強く説明してくれた。
 途中で私は、時期尚早ではないか、少し先送りした方が良いのではと彼に伝えたことすらあったが、彼は現時点での売却に関するメリットとデメリットを照らし合わせ、お互いに納得し得る条件を提案してくれ、この時期に晴れて売却することができた。
 一連の流れを振り返ると、信頼できる担当者の努力があったからこそ、途中で諦めることなく、当初の予定通り売却できたのだと思う。彼に出会っていなければきっと、途中で面倒臭さに負け、先送りしていたに違いない。そのくらい彼の熱量はすごかった。
 そう考えると、どの業者に売るかではなく、誰にお願いするかが大切だということがわかる。時代が「令和」に変わっても、営業の仕事がAIに取って代わることがない証だ。
 自動車販売という業界も、