なぜ、私は予定外の買い物をしたのか

 数年前のこの時期、とある避暑地での出来事。その避暑地のアウトレットモールでワインの試飲会が行われていた。
 家族と何気なしに歩いている私はそのスタッフに声をかけられた。普段自宅で飲んでいるお酒は何か、と。
 普段、自宅で晩酌する習慣のない私は、あまり飲まないというと、外では何を飲むかと聞かれ、当たり障りなく答えた。彼らはワインの販売会社のスタッフであり、ワインの話に繋げたいのはわかっていたので、あえて縁遠いことをアピールしながら。
 しかし、ワインを飲むシーンを聞かれ、滅多にないがちゃんとしたレストランや、家でチーズを食べながら優雅にワインなんていいですね、と答えてしまった。ついつい…。
 するとそのスタッフは、チーズに合うとすればどちらが良いか比べてみてくれと言って2杯のグラスを差し出す。クルマでないことを良いことにワインを飲み比べた。甘いのとスッキリ辛口と。感じた通りの感想を述べると、私の好みを言い当ててさらにもう一本奥から出してくる。上手く引き込まれていると感じながらもついつい飲んでしまった。
 結局私は、してやられたと思いつつも、ワインを自宅に送る手続き取った。
 この一件で思い出したことがある。