以前もこのコーナーで紹介した工務店の話。社長が私の知人で、父親から受け継ぎ試行錯誤しながら成長を続けている工務店。ディーラーの納車式を体験しこれだと思い自分の会社でも引き渡しセレモニーを盛大に行っていると記した。
その彼の会社では、顧客訪問を営業マンではなくパート社員が行うという。40代主婦のパート社員、有体に言えばどこにでもいる「おばちゃん」だそうだ。
そもそも一生モノの家を売って、こまめに顧客訪問を行ったからと言ってすぐに建て替えに結びつくなどなかなかない。しかも住宅というのは、大きなことから細部に至るまでクルマ以上にクレームが多い。それを嫌ってかどうか積極的に顧客訪問をしないメーカーや工務店も少なくない。アフターサービス部門を持っていればそれで済むという発想だ。繰り返すが営業マンが良くやってくれるから一生住もうと思って建てた家を10年で早期建て替えなど考える人はほとんどいないのだ。
しかし彼の工務店は顧客回りを会社の大きな活動の柱と位置付ける。本当だったら社長の彼自身が回りたというが、社長本来の仕事が忙しいため叶わない。そこでその代わりに「パートのおばちゃん」が顧客を回る。