なぜ、その夜、友人は憤慨していたのか

先日、友人と酒宴を共にした。私より少し若い彼は、通勤の関係でターミナル駅のそばに引っ越すことを検討しているという。そんな彼が内覧したマンションの話を聞いていたのだが、徐々に彼の表情が怒りに溢れてきて、最後は顔を真っ赤にして激高していた。
 築10数年のその物件、一見すると綺麗だがこの先ずっと自分たちが住み続けることを考えると、しっかりリフォームを行いたいと不動産業者の担当者に伝えた。担当者は50歳過ぎのベテランで、友人の質問にも難なく答えてくれていたという。
 質問がリフォームの件になったあたりから、こちらの意見を否定する言葉が多くなり、挙句にはそんなことも知らないのかと言わんばかりの上から目線、さらには畳みかけるように、今決めないと他で決まってしまうので決めちゃいましょうと迫ってきたという。
 リフォームでいくらかかるかもわからない、しかも最初に話したときと2度目の内覧でのリフォームの内容が違っている。そこまで交換するなんて聞いていない、中古マンションだからいろいろと手入れが必要なのは当たり前、どうしても交換と言うなら100万程度で収まりますが、と。軽々と100万円と言われても…。
 この担当者、