新幹線で東京駅を出て品川駅を過ぎ、数分走ったあたり、多摩川を渡る少し手前にこじんまりとしたマンションや、リッチな方が住んでいそうな住宅が所狭しと立ち並ぶ。
そんな都内有数の高級住宅地の街並みを新幹線の車窓から眺めていると、一瞬だがこの街に似つかわしくないものが目に入る。田舎の畑でよく見る大きな透明のビニールハウス。ここに建つのは、見た目は同じだがビニールではなくガラスのハウスだ。
その中をよく見ると色とりどりの花が咲いている。調べてみるとシクラメン農園であることがわかった。まさか東京のしかもこんなに地価の高い場所で生花の栽培とはとはなかなか気が付かない。
なぜ私がこのシクラメンに気付いたか、それは周囲の風景とのアンバランス。東京都心のオフィス街を抜け多摩川を渡るまでのこの辺りは、前述の通り高級住宅地、そんな中でコンクリートの間にパッと明るい色が目立つ。以前はこの辺りでも多くの農家がシクラメンを栽培していたが、今では唯一その農園だけが現役で頑張っているという。いろいろと見ていれば思いもよらない発見があるものだと痛感する。
私たちの活動でもそんな発見は案外多い。