なぜ、「神は細部に宿る」と言われるのか

 「神は細部に宿る」という言葉を一度は聞いたことがあるだろう。元々はドイツの建築家の言葉とされるが、素晴らしい仕事は細かい部分まで手が施されるという意味だ。
 奈良の大仏は室内に置かれ、直接陽の光に当たらない薄暗い場所にあるのだが、実際に見てみると細かい箇所まで緻密な彫刻が施されているのがわかる。当たり前だが見えづらい箇所だからといって手を抜いてあるということがない。ドイツのケルンにある大聖堂(教会)のキリスト像や、その周囲の至る所にあるステンドグラスなども同じである。
 高級外車に乗って来店されるお客さまも多い。その高級外車も自分で運転して楽しむためのスポーツカーだったら「おクルマお好きなんですね?」などと声をかける。高価なスポーツカーを自分でドライブするのだから、相当なクルマ好きだと考えるのが普通だろう。しかし