なぜ、彼は念願のマイホームを喜べないのか

 私の友人がついに引越しをしたと言うので新居を訪ねた。念願のマイホームを得て、さぞや盛り上がっているだろうと思ったが、いきなりため息交じりの愚痴で迎えられた。
 原因は、例のマンション販売の担当者。何をしたのか聞くと、特に何もしていないとの答え。むしろ本当に何もしないと。数千万円の買い物をさせておいて、販売担当者から最後に聞いた言葉は「支払い手続きはまだですか?」。その後、引渡しの際もリフォーム担当者一人だけ、販売担当者からは電話一本も、お礼のハガキ一枚すらないらしい。
 友人は今まで数台の新車を購入しているが、どこの販売会社でもそんなことは一度もなく、前回のマンションもそれなりにおもてなしを感じることができた。だからもちろん今回も今までのように、高額商品を買ってそれ相応の「いい思い」ができるものと思っていたという。結局友人は、最後まで怒りの買い物で終わってしまったようだ。
 これを読んでまさか耳が痛いと感じる読者はいないだろうが、念のために申し上げておく。私たち自動車販売においても、