なぜ、老舗のラーメン屋はセルフ精算機を導入したのか

 地元でたまに足を運ぶ老舗のラーメン屋。そのラーメン屋が先日、タブレットの注文機と無人会計システムを導入した。もともと店舗入口で食券を購入し、それを店員に渡すスタイルだったものを、帰りがけにセルフ精算機で会計する仕組みに変えたのだ。
 人対人の接触を少なくするためと、人員削減の効果を狙う。コロナ禍の現在にあっては、時代の要請によるものとも考えられるが、古いタイプの身としては純粋にコミュニケーションが減ってしまうのは何とも寂しい気もする。
 街のラーメン屋でさえ機械が人に代わって仕事をする時代。今後さらに機械が人工知能(AI)を持つようになると、今まで以上に様々な業界で同じようなことが起こり得る。
 自動車業界を見渡す。製造過程や製品はITによる高度な機械化が進む。しかし販売面では機械化は顧客管理と査定、見積り作成くらい。まだまだIT化が進んだとは言い難い。コロナ禍においては、販売面でIT化が進んだものをあえて挙げるとすれば、お客さま向け連絡ツールだろうか。
 昭和の頃の営業活動は足で稼げと言われ、