なぜ、パイロットは凛々しく見えるのか

 飛行機に乗る際、空港でセキュリティーゲートを通過して搭乗口に向かうとき、飛行機の乗務員の列に出会うことがある。
 キャビンアテンダントやパイロットの方々の制服姿は、いつ見ても凛々しく感じる。同時に、彼らが自分の乗る飛行機のクルーなら、この人たちに命を託すのだと実感する。
 そんな思いで改めて彼らを見てみると、制服をしっかり着こなし、背筋を伸ばし前を見据えて堂々と歩く。そして手には四角いケース型の黒いバッグ。パイロットの彼らが持つバッグはフライトケースやパイロットケースと呼ばれている。バッグというアイテムひとつで、彼らのパイロットとしての威厳を作り上げている。
 同じように、今では以前より少なくなったが、医師が個人の家を回る往診の際に、多くの医師が、ドクターバッグと呼ばれる、上部が丸くラウンドしたバッグを使っている。
 これも医師としての信頼や威厳を患者やその家族に示すアイテムである。
 どちらの例を見ても、その職業のイメージを形作る要素は、このような細かいアイテムひとつにも及ぶという事例だ。
 考えてみていただきたい。私たちは適切に私たちの職業イメージを作れているだろうか。自分たちのことはわかりづらいが、