営業実績が低迷してそこから抜けきれない時、世の中のトップセールスの本に読み漁り、彼らはどんな特別なことをしているのかを探った。私が営業マンだった頃の話。
3冊目を読んでいて気が付いた。トップセールスの人たちに共通すること、それは特別なことは何もしていないということ。基本を忠実に、決めたことはやり抜く。ただそれだけ。その決めたことも月間の査定件数であったり、週間の訪問件数であったり、自分が動きさえすれば必ずできること。そんなことなら自分にもすぐにできるじゃないかと思った。だがそれをやり遂げるのは至難の業で、その時初めて「そういうことか」と納得した。そして基本を確実に実行する代わりに、トップセールスの本を読むのを止めた。
もうひとつトップセールスに共通していることがある。お客さまの利益(ベネフィット)をとことん考えて仕事をする。それがやがて自分のためになると信じて…。
ある生命保険会社のトップセールスは、紹介されたお客さまが、すでに他社で見積もった保険内容を見て、そのお客さまには、現時点でここまで高額の補償額の保険は不要と見るや、状況を細かく説明し補償額も掛け金も下げた保険を勧めたという。
要はお客さまにメリットがあることを徹底的に考え、