過日、ヘッドハンタ ーが主人公の小説を読んだ。その小説はその道のプロが社員教育に使いたいというほど事実に近いというので少しばかり紙幅をいただきたい。
ヘッドハンターには人により癖がある。まずは依頼主からの条件に合う人材を、様々な情報源を当たり見つけ出し接触を図る。ここからがヘッドハントだ。
その際に、一般的にヘッドハントされる対象者が聞かれるのは、現在の職場にやりがいを感じるか、会社の体制に不満はないか、転職に興味はないか、ということ。転職に興味がないと言われれば、収入激増で釣ってくる場合も多い。現状の1.5倍稼げる…などと。
しかし優秀なヘッドハンターは、適任者である対象者を口説き落とすことと同時に、お互いの求めるものを咀嚼し、会社の文化や理念を理解し、対象者がその会社で働いた時に今まで以上に活躍できるかを重要視する。だから強引に転職を迫ることもない。逆に対象者を調べるうちに、依頼主の期待に沿えないと思われる匂いが感じられれば、迷わずその事実を依頼主に伝える。自分の成果を先延ばしにしてでも、依頼主に迷惑をかけることは絶対に避ける。これは不信感を持たれて今後の仕事を失わないためでもある。このように名ヘッドハンターは、その場の利益にとらわれず、顧客の満足をどこまでも追求する。
なぜ、名ヘッドハンターは適材適所を見抜けるのか
