なぜ、私の馴染みの店は心地良いのか

 あまり馴染みの店を持たない私。しかし数少ない馴染みの店はこの上なく心地良い。心地良いから繰り返し訪れてしまう。どの業界でもこれは真理であろう。
 集客に苦労したり売り上げが芳しくなかった店が、ある取り組みをしたことを契機に急にお客さまが増え、売り上げがV字回復することがある。大金かけた大改装やスーパーセールスを招聘したわけでもない、そんな例を時々耳にする。お金をかけずに、やり方や見せ方を少し変えただけなのだ。
 例えばお見送り。お見送りは今お店にいたお客さまが帰られるのだから、出来ないことは100%ない。あるお店では何かできない理由を見つけてやっていなかった。しかしそれをやるようにした。結果、最高のサービスを行う店となった。簡単な話だ。
 見せ方では、小売店の場合何はともあれ商品陳列。私は高校生の時に母親が営む店の手伝いで飲料の品出しをする際、ラベルをお客さまが見てすべて正面になるよう並べろと何度も注意された。正直面倒くさいと思ったが、大した労力を要することでもなく気に掛けて並べればそれで終わるだけのこと。揃っている商品を見ると並べた私も気持ちいい。
 前述した私の馴染みの店の心地良さも、そんなちょっとした当たり前ができている。
 優れた店の共通ポイントは三つ。