なぜ、お洒落な和食屋は私をがっかりさせたのか

 出張先で食事に出た。この時期は密を避けこじんまりと食事ができる店が良い。そんなこと考えていると、結局弁当を買って、ホテルの部屋で食べることも多くなる。
 適当な店が見つからず歩いていると、駅に隣接する百貨店の飲食店街に、比較的広く空いているお洒落な和食屋を見つけた。酒と和食の店、そそられるメニューが並ぶ。
 せっかくなので、1杯だけお酒をいただき、2~3品食べて帰ろうと決める。
 この店はこの近くの新幹線の駅ビルにもあり、そちらもお洒落で良い雰囲気だと記憶する。
 注文して料理を待っていると、調理場に入るスタッフが何かを落としたようでお洒落で落ち着いた店内に喧騒が響く。スタッフはそれでも慌ただしく仕事を続ける。また、綺麗に盛り付けられた料理は、スタッフの荒っぽい運び方のせいか、無残にも形を崩した状態になって私のもとに届いたり、醤油を一緒に持ってくるはずの料理で、醤油がなかったり、いかにもアルバイトのやっつけ仕事といった感じで少々がっかりする。
 時短営業のためか、20時が近づくと、調理場の入口にある手洗い用の流しに、ピッチャーに入ったビールを捨てていたかと思うと、今度はテーブルに持っていく水をその蛇口で注いだり、出来れば見たくなかったことがたくさん起こる。せっかく雰囲気も良く、落ち着いた雰囲気を持つ店なのに、なんともったいないことかと思う。