なぜ、使われないホテルも手入れがされるのか

 このご時世ホテル業界はかなり苦しい。宿泊だけでなく、稼ぎ頭の婚礼や宴会、イベントでのホール利用など著しく減少し、死活問題となっているホテルも少なくない。
 実はこの原稿を出張先のホテルの部屋で書いている。ホテルと言ってもここは、主にセミナーや研修を行うためのホールや会議室がある施設の宿泊棟だが、今は静かだ。
 ここも他のホテル同様に、客数は激減。今回も宿泊しているのは私たち数人のみ。その私たちもリモートでの研修のため、このホテルの会議室から講義を発信するために借りていてリアル研修ではない。したがって受講生がこのホテルに来ることはない。
 そんな状況でも部屋はもちろん、廊下や普段はあまり使われない階段の隅まで、ほこりが堆積していることはない。しっかりと手入れがされているのには少々驚いた。
 ほとんど毎日が客数ゼロに近いと思われる。結構な規模の施設ではあるが、誰も見る人がいなくても、それでもしっかりとメンテナンスは欠かさない姿勢に感動すら覚える。
 どんな仕事でも、目に見えるところを整えるのはわかりやすく、