先日、ある贈答品を買いに都内の百貨店に出かけた。
私にとってはあまり馴染みのない品物を選ぶ。ある程度ネットで調べた上で店舗で実物の商品を手に取って選んでみる。しかし、どれも同じようであり、柄に特徴があるそれらの商品は、どれがどんなふうに良いのかよくわからない。私の判断基準は柄の繊細さと色合いくらい。作家の名前や、工房やメーカーなどの違いが書かれていてもピンとこない。そばにいる店員に何が違ってどれが良いのかを聞いてみた。
するとその店員は、品物をどんな用向きで使うのかを逆に聞いてきた。私はどのような贈答品であるか細かく説明すると、私が手に取っていたいくつかの商品は不向きだと教えてくれた。細かい柄を刻んでいくその商品は、伝統的に祝事に使う柄が多い中で、作家の独創的な表現方法であえてクラック(ヒビ)を刻み繊細さを表すことがある。このクラックは祝事の品物としては不向きだという。あえてヒビを入れているのだから、確かに祝事には向かない。危うくそんな基本的なミスを犯してしまうところだった。こういう常識はその道のプロに聞いてみないとわからない。
私たちのお客さまはある程度の希望があってクルマの購入相談にやってくる。
しかしお客さまは商品を深く知った上で購入を検討する人ばかりではない。おおよそ外観や内装のこだわりがあってそのクルマを気に入っていただくことが多い。しかしよほどクルマに詳しい人でもない限り、
なぜ、店員は買い物の用向きを聞いたのか
