なぜ、ボクサーのボディブローは後で効いてくるのか

 ボクシングの試合を見ていると、明らかに相手のボディにいい感じのパンチをしているのだが、意外と効いていないのかと思うパンチがある。それどころか相手のボディに力を吸収されているのではないかと思うほどだ。
 その後パンチを受けた選手の足がふらつき、今度は明らかに力のないパンチに倒れこむ。なぜ先ほどのボディを捉えたパンチでも倒れなかった選手が、かすった程度の軽いパンチでいとも簡単に崩れ落ちるのか、普通に見ていると理解できないことが起きる。
 ボクサーがボディへ打ち込むパンチを、ボディブローという。プロ、アマ問わずボクサーは顔は言うに及ばず、なるべくボディにも相手のパンチが直撃しないように逃げる。
 体力が十分にあれば1度や2度のボディブローでいきなりダウンを奪われることは少ない。だがその時は立っていられる状態でも、その後の足取りが重くなるにしたがい、先に受けたボディブローが効いてきて反応が鈍り、最後には立っていられなくなるという。これがボディブローの怖いところであり、ボクサーは相手のボディブローをできるだけ避けたい理由。その時は大丈夫でも、後からじわじわ効いてくるのだ。
 私たちの仕事でも、その時は特別に大きな変化はなくても、