最寄駅からバスで20分、交通量の多い国道に面した北向きの2階建て物件。決して良い立地ではない。だがその物件は完成前から予約で既に満室。現在同じような物件はどこも満室、しかも空きを待ってもそう簡単に退去する人は出ないという。
どんな仕掛けがあるのか。条件が悪すぎて、超格安で借りられるのかなど、ついつい穿った見方をしてしまうがそうではない。このところ増えつつあるガレージハウスだ。
ガレージハウスには一般のアパートとは違った特徴がある。まず何と言っても、一般的な賃貸アパートと違い、閑静な住宅地には向いていない。スーパーカーやレトロなオートバイが置かれることが多いため、それなりに音がうるさくなる。また、早朝からシャッターの開閉も多い。閑静な住宅街では周囲からの苦情が出ることが多い。だから住宅地から外れた街道沿いが便利。また南向きの一等地など全く必要ない。一応居住スペースはあるが、常にそこに居ることはまずないからだ。
一見すると賃貸には不向きでも、特定のニーズを持つ人にはまたとない物件に早変わりする。しかも同じ物件より賃料は高く設定できると聞く。貸主にはなんとも好都合だ。
私たちの仕事でも似たようなことがある。不人気車種や訳アリ車両などがそれだ。
営業マン時代、私の同僚でもそういうクルマをとにかくよく売る営業マンがいた。彼は