なぜ、自動車営業のデジタル化は進まないのか

 少し前まで営業にデジタルは相いれないと思っていた。しかし営業マンが営業の本質に集中できるよう、デジタルが作業部分を担ってくれるのであれば悪くないと思うようになった。加えてデジタル化により時短や脱炭素の実現につながるのであれば大歓迎だ。
 販売におけるデジタル化については、代用できるものとそうでないものがある。例えばファッションや書籍、家電、日用品などは、ネット販売が隆盛を極め、ひと昔前に比べるとかなりの部分で販売の仕組みがデジタル化されたと言って良い。
 営業となると、デジタル化とひとくくりに言っても、デジタルで行える商品と、デジタルには向かない商品があるように思う。例えば、個人投資家への証券会社の営業などは、かなりの部分でデジタル化が進んでいる。今や株はネットで簡単に購入できる時代だ。
 対して自動車営業は、個別のお客さまと対面して販売する手法が色濃く残る。高額商品に加え、日常的に使用するものであり、しかも命を乗せて走らせるという側面も大きい。また、故障などのトラブル発生の可能性や、車検制度が確立していることも、その都度相談できる担当者がいてほしいという心理的作用も大きいと言える。
 自動車の購入は、