なぜ、私は騙されたと思いつつ反省したのか

 私の昔話で恐縮だが、平日に新規来店のお客さまの商談をした時の話をしたい。
 救急隊員だという男性のお客さま、年齢は40代半ば。独身でお住まいは当時実家に住んでいるという。昔ながらの土地持ちのお宅で、そこの次男とのこと。
 余談だがこのお客さま典型的な地方の公務員といった風貌。乗ってきたおクルマも派手さがなく飾りもない、女性物の小物などひとつとして見当たらず、何となく地道に仕事を突き詰めて生きている人かと。だが、商談中一貫して、お金がないと連発していた。
 購入価格は700万円程、憧れの輸入車にやっと手が届く貯蓄ができたかと想像した。
 見積り額中心に商談が進み、即決には至らなかったが熱い話ができ翌週の商談確約。
 再商談の日、基本的にはご購入いただけるということで話が進むが、最後の最後まで見積り提示額では厳しく、お客さまが購入可能な金額まで下げてほしいと詰め寄られる。
 決めるからと言われると営業マンとしては弱い。上司に掛け合い、今決めていただくことを条件に承諾をもらい無事にご注文をいただくことが出来た。