時々仕事で、割と長い距離をタクシーで移動することがある。そんな時に私からドライバーに積極的に話しかけることはほとんどない。本を読むか、スマホで新聞を読んでいるか、疲れていればまどろんでいることも少なくない。
それでもたまにその地域の経済状態や、特産物の話などをドライバーに聞くことがある。二言三言のキャッチボールで十分のつもりが、思いがけず、今まで物静かだったドライバーの”会話スイッチ”を押してしまった、そんなことが起きたりする。先ほどまでは、こんなに話好きだなんて、露ほども思わせなかったのに…。
私からは最初のワードとその答えを深掘りする質問程度、後はあれやこれやとドライバーの言葉が続く。それは前のめりになって聞きたい情報のこともあるし、そうではなく一方的な”要らない情報”に閉口せざるを得ないこともある。
いずれにしても、一見無口だと思っていた人が、何かのきっかけにより第一印象を覆し、おしゃべりになる瞬間もあるということを身をもって体験することになる。
なぜ、タクシードライバーは饒舌になったのか
