なぜ、近所のすし屋の挨拶はなくなったのか

 すし屋には違いないが、よく行く回転ずし店の話。その回転ずしのチェーン店は、少し前に国内大手コメ問屋の資本が入るなどしてブランドチェンジを図った。その結果、ネタ・米ともに味を向上させ、更には店舗各所にも投資を行い様々な改善を実施した。
 コロナ禍にあってはガリの提供をメニューに載せ(無料)、各テーブルに置くことを廃止したり、レジも完全な非接触型にするなど、設備面の資本投下も惜しみなく行った。
 更にネットによる予約はもちろんだが、来店時も店舗に入ってすぐのタッチパネルで必要事項を打ち込むことで、希望や人数に合わせてカウンター席またはテーブル席に機械が自動音声で案内する。したがって、店舗スタッフがお客さまに対面で接する必要がなくなった。ここまではいま時らしくもあり、感染予防対策と言えば聞こえが良い。
 しかし、店舗に人がいないわけではない。後片付けや、委細なオーダーの際に直接話を聞くスタッフは少なからず店内を歩き回る。その彼らは、お客さまが来店された際に接する機会がなくなったことで、来店するお客さまに向かって笑顔で挨拶するタイミングが無くなってしまったのだ。機械化によりマニュアルからは外されたと言えば正しいか。