なぜ、些細なひとことで気持ちが傾くのか

 ショッピングセンター内のよくある和菓子屋での出来事。そこそこ有名な店だが特にここと決めたわけでもなく何となく立ち寄っただけの店。
 私たちが品定めしてると、後から来たご婦人がレジ前に立ち商品を注文する。別段気にするでもなく、その後私たちもいくつかの商品を注文して会計を済ませようとした。
 その際、レジに立つ若い男性スタッフがひと言「順番が逆になってしまい申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げる。レジ待ちの列を抜かされたわけでもなく、私たちは全く気にしていなかったのでかえって恐縮すると同時に、このさりげない気遣いが人の心を惹きつけるのだと感じた。
 いま時は、ネットの口コミなど何かの拍子にお客さまの数が急に増え、大忙しになる店も多い。そんな状況でも優しい気遣いとちょっとした言葉がけができると繁栄は一時的ではなくなるのだが、そうでない店も少なくない。
 先日たまたま伺ったある港町の海鮮料理店は、