なぜ、無名の納豆が飛ぶように売れたのか

 以前、雑誌の企画で新商品の納豆を店頭販売した。「自動車のトップセールスは納豆も売れるのか」という少々気恥ずかしいタイトル。売るものが変わっても、世のセールスマンは結果を出すことが出来るのかという内容。但し試食は無し、短い商品説明だけ。
 結果平日昼間の3時間弱で通常の1週間分を売り切った。手前味噌な話で大変恐縮だ。
 あの時私が心掛けたことは、とにかくお客さまに声をかけること。最初のうちはそれこそ目を前を通る人誰彼構わず声をかけていた。そうすると次第に買っていただけるお客さまの特徴がわかってくる。年配のお客さまは男女問わず、主婦と思しき女性は目が泳いでいる人であれば必ず話かけ、会話が続けば購入に結び付く。一定の法則を見つけてからは、それに従ってとにかく声をかけ会話の糸口を見つける、それ以外特別なことはしていない、言ってみれば基本的なことだけを行った。
 その結果いつもは1日7~8個しか売れない無名の納豆を、3時間足らずで58個売った。
 自動車販売店は、販売店というくらいだから当然販売がメインと考える人は業界内外問わず多い。もちろん販売は大切だが、