なぜ、人は自然にその店に行きたくなるのか

 仕事柄、宿泊を伴った出張が多い。同じ場所に繰り返し出向くと、いつも決まったホテルに泊まることとなる。仕事を終えてホテルに戻ると食事となるが、食事もいつも行くお店が決まってくることが多い。
なぜ、ホテルも食事の店も決まったところが多くなるのか。利便性や金額も無視できないが決定的な要因として、サービスレベルの重要度は高い。
 ここでいうサービスレベルとは、決して高級な店でないとできないようなことではない。いつも笑顔で迎えてくれるとか、リピーターには必ず名前で呼ぶとか簡単なこと。リピーターと記したが、何度も利用するお客さまだけを特別扱いして名前で呼んでいるのではまだ甘い。たとえ2回目であろうと前回に名前を知ることが出来たら次は名前で呼ぶ、それがお客さまへの上質なサービスとなる。やれば簡単だがやるまでが難しい。だからそれを行う店は意外にも多くなく、サービスレベルの差が出てしまう。せめて名前がわからなかったり思いだせなかったとしても、「いつもご来店ありがとうございます」などと声を掛けるだけでもお客さまの反応は明らかに違ってくるのだが。いずれにしても心地よいホテルやデキるお店は、お客さまを認識しているということをしっかりと表現している。