なぜ、歌舞伎はバーチャルアイドルとコラボしたのか

 日本の伝統芸能である歌舞伎。私も生で観たことがあるが、表情の微妙な表現を顔の少しの動かし方や体での表し方など、現代の演劇やミュージカルとは一線を画す。
 古くから脈々と守り続けられたその技法と、独特の立ち回りは日本人だけでなく外国人が見ても息をのむようなシーンが多く、唯一無二の芸能と言っていい。
 そんな日本の伝統芸能の歌舞伎だが、近年、様々な年齢層のお客さまを取り込むべく、いろんな工夫が行われていることをご存じだろうか。バーチャルアイドルの初音ミクとのコラボレーションなどがそれだ。「超歌舞伎」と呼ばれ、近年、新型コロナの影響により休演となった2020年を除いて、毎年行われている。
 歌舞伎というと「年寄りが見る芸能」と思われがちであり、事実、旧来の歌舞伎のお客さまの年齢層は高い、それが歌舞伎…。だがそれで良いのだろうか…。
 そもそも歌舞伎が年齢の高い人たちの芸能だと決めつけることがおかしい。もっと若い人たちにも楽しんでいただけるはず、近年そんな疑問から様々な取り組みが図られ、その一つとしてバーチャルアイドルとのコラボレーションは実現した。若い人たちは、古典芸能など全く見ないのではないかという勝手な思い込みを拭い去るように。そしてそれは着実に成果を表している。何しろ毎年各地で行われる人気演目になっているのだ。