なぜ、常連客はいつも同じお店に通うのか

 居心地の良い店はそれなりの理由があり、心に響く接客があることは以前も記した。
 日常の食材や雑貨の買い物であれば自宅周辺のいくつかのスーパーマーケットやショッピングセンターのチラシに目を光らせ、金額の安いお店を巡ることもあろう。しかし、喫茶店や街の洋食屋などのレストラン、居酒屋ともなると金額は店によって違う。これらの店では、個々の料理に対する価値を比べることになる。コスパ(コストパフォーマンス)が良いとか悪いとか。だが美味しさに間違いがなくコスパが良い店でも、週に1度は行きたくなる店と、味は良いけど…と、迷いが生じる店がある。その差は何か。
 飲食店の常連客がその店に通う理由には、金額や味の他にお店の雰囲気や店主やスタッフの対応が挙げられる。お店に入っても挨拶もない、オーダーを取るものぶっきらぼうで半ば迷惑みたいに聞いてくる店主も居る。その類の店の行く末は知れている。逆に元気の良い挨拶と気配りに溢れ、会話も弾む店はいつも賑わう。さらに大切なポイントがお見送りだ。お客さまが店を出る際に扉の外で見送ってくれて「ありがとうございました」のその後に気配りを感じられる “ひと言” があると思わず客であるこちらが「ありがとう」と返したくなる。このようにして心温まる店は常連客を増やしお客さまを維持している。
 自動車販売店も同じだ。そこそこの接客をしてメンテナンスパックを促進していれば、お客さまはリピートしてくれる。だがこれは仕組みがそうしているに過ぎない。問題はそこから先。店舗でどれだけ心温まる対応ができたかで、メンテパック終了後も1台のお客さまを永遠のお客さまにすることができる。そこで重要なのが帰り際最後の “ひと言”。お見送りの「ありがとうございました」の後「日暮れ時で暗くなってきたので気を付けてお帰り下さい」とか、お子さまがサッカーをやっていて明日が試合だと分かれば「お子さまの応援がばってください、私もお店で応援しています!」と、その時々の状況に合わせてひとこと加えると良い。自ずとお客さまから「ありがとう」と返ってくる。