なぜ、上質なサービスはお客さまを名前で呼ぶことにこだわるのか

「名前」にまつわる話。今まで何度も取り上げてきたが、大切なので改めて記す。
 年に1度、我が家は記念日に都内のレストランで食事をする。そのレストランでなければいけない理由は特にない。しかし特別なその日はそのレストランがいい。強いて言えば、名前で呼んでくれるから、しかも予約の電話の第一声から。
 登録されている電話番号で電話をかけると、必ず「大久保様、こんにちは」と出てくれる。パソコンと連動しているので、瞬時に過去の利用内容がすぐにわかる。話が早いし、知ってくれている安心感があっていい。正直、我が家からだと電車の乗り換えが多く、特段駅から近いわけでもない。だがいつもこのレストランに足が向く。
 名前を呼ばれて嬉しいサービスは他にもある。遠方の出張で利用する飛行機。いつもは普通席、しかし疲れがたまっていると、当日空席があれば、1~3千円支払って席のグレードアップをお願いする。機内での飲み物のサービスの際、グレードアップの席の乗客には、客室乗務員は必ずお客さまの名前を添えてサービスを行う。「大久保様、いつもありがとうございます」と。これがあるから数千円が惜しくなくなる。もちろんシート自体もゆったりと作られているのだが、気持ち的にはこのヒトコトの価値の方が高いと感じる。