なぜ、居酒屋チェーンはガラガラでも潰れないのか

 出張の際、夕食のために街に出ると、どこの都市でも繁華街が寂しくなっていると感じる。感じるだけでなく、明らかにコロナ前よりも営業している店舗数も繁華街を歩く人の数も激減している。コロナ禍によって飲食店の状況は一変したと言っていい。
 特に大手チェーン店の居酒屋など、ガラガラになった店内を見ても経営が難しいのではと心配になってくる。例えば、ワタミとか。
 ワタミと言えば居酒屋をはじめ多くの人がよく知る外食企業だ。しかしワタミの原点である居酒屋「和民」としての店舗は次々と業態を変え、その時々で流行っている食材を中心とした店舗に変わっている。焼鳥店や唐揚げ店、寿司屋に焼肉店も出し、今や原点の居酒屋「和民」はほぼ姿を消している。そうすることで運営会社は時流に乗って存続してきた。しかし昨今の新型コロナ騒動、さすがにあれだけ大規模での店舗運営はさぞや厳しかろう、しかも店内もあれだけガラガラではと心配する声も多い。
 だがワタミグループは倒産していない。それどころかこの数年間苦境とは言え、2022年3月期の決算では前年売り上げを越えている。実はワタミグループの収益の柱は、居酒屋などの外食事業ではなく、何年も前からお弁当の個別配達「宅食事業」なのだ。もちろんコロナ前の水準には遠く及ばないが、企業として倒産する危機は十分回避できているということだ。明確な収益の柱があって地道に進めば外食部門の不調もカバーできるのだ。
 自動車業界はいかがだろうか。