総合商社の伊藤忠。三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅など強力な商社の中にあって、万年業界4位と揶揄され続けていた会社だ。その伊藤忠が昨今、大学生の就職希望企業のトップに輝いていることをご存じだろうか。トヨタやホンダ、ソニーやNTTなどかつてのナンバー1企業を抑えて堂々の1位となったのだ。ちなみに万年業界4位と言われた会社が、売上ではこのところ2位をキープし、2021年3月期には、純利益、株価、時価総額という3つの指標で三菱商事を抜き去りトップ商社となった。
伊藤忠がトップに輝けたのは、社員を大切にする社風が大きくかかわる。社員のために本社入口から近くの最寄り駅出口まで、雨でも濡れないように屋根を付けたという。東京メトロと東京都との協議に多大な時間とコストがかかっているが、社員のために完遂させた。福利厚生の面でも他社では考えられないことを実施する。このように表には出ない経営者の努力が社員に伝わった時、実績は大きく跳ね上がるものだが、そこでさらに大切なのはそれを意気に感じて今まで以上にやる気を起こす社員の存在だ。会社のトップの思いに報いたい、そう思って実力以上の力を発揮する社員がいる会社は間違いなく強い。
自動車業界でもそんな様子を垣間見ることが出来る。会社単位ではなくても拠点や営業チーム、サービスチームも同様だ。小さな組織でもリーダーの部下への思いが部下に伝わった時、思いも寄らぬ実績を残す事例を今まで何度も目にしてきた。
なぜ、伊藤忠はトップの座を奪えたのか

