なぜ、私と妻は非合理的な判断をしてしまったのか

 息子の大好物であるハンバーグを用意しようと妻は買い物に出掛けた。1時間後くらいだろうか、買い物から帰ってきた妻の手伝いをしようと私も台所に立ち、買い物袋から食材を出し仕分けしていた。その中に正方形の容器に3×3の要領で綺麗に並べられた、あとは焼くだけの9個入りと思われるハンバーグのたねがあった。ハンバーグを焼こうと容器からラップを剥がすと、9個あるはずのたねが8個しか入っていなかった。不思議に思い、剥がしたラップの右下についていた製品表示のラベルシートを確認すると、そこにはちゃんと8個入りと書いてあった。妻も私も容器の形、綺麗に並べられた配列からラベルシートの下にもハンバーグがあると思い込んでいたのだ。ラベルシートを剥がす前は「きっと」「恐らく」といった認知バイアスが働いてしまったのだ。
 認知バイアスとは、直感や今までの経験から先入観をもち、非合理的な判断をしてしまう心理現象である。認知バイアスが発生する要因は、人の脳は日々多くの情報を判断しており、すべての情報をゼロから思考していては疲弊してしまう。そこで、情報を判断し脳で使うエネルギーを少しでも節約するために、過去の経験や知識で解決できそうな問題に関しては経験則で結論を出してしまう癖があることが要因である。この癖により、問題における解決策や判断を決める意思決定を迅速に行えるようになった一方で、思い込みによって誤った判断をしてしまうこともある。