なぜ、敗軍の将は最後にスタンドへ一礼したのか

 日本のサッカーワールドカップカタール大会は、クロアチアとのPK戦による惜敗で幕を閉じた。目標の8強入りはならなかったが、日本が世界で戦えるチームであることを世界に知らしめた。その意味において、大変意義の大きな大会になったことは間違いない。
 にわかサッカーフリークである私などの講釈は何の説得力も持たないが、のら猫コンサルタント的な見方でひとつ挙げるとしたら、代表監督である森保監督の細部にわたる気配りや気遣いは、世界のどこの監督よりも優れているということだ。
 試合に負けたクロアチア戦、泣き崩れる選手や途方に暮れるスタッフを励まし次を見据えて前を向かせようとする中、ピッチを引き上げる間際にスタンドに向けて長く深々と頭を下げ一礼を忘れなかった。世界の観客に向けての最後の挨拶。敗軍の将であはあるが予選リーグでジャイアントキリングを2度も起こした監督の堂々とした潔さと、観客に対する感謝やリスペクトが込められている、そんな丁寧で心のこもったお辞儀だった。また、彼らが使い終えたロッカールームは、毎回整理整頓されゴミ一つ落ちていないことは有名だが、敗戦の後のロッカールームには、折り鶴と共に感謝のメッセージが添えられていたと聞く。選手が自主的に行ったものかもしれないが、良い意味で「この監督にしてこの選手有り」と言ったところだろう。この精神には私たちも学ぶべき点が多い。