なぜ、あの大企業の組織は一度失敗したのか

 ビジネスというものは一人でできるものは限られている。逆に一人でできないことが多いからこそ会社や組織というものが存在するのだ。会社によって数人から数百人、数万人のいう規模の社員が存在する。集団というのは少数なほど統制されやすくまとまりがあるが、人の数が増えるにつれ統制は困難になる。
 「ダンパー数」をご存じだろうか。イギリスの人類学者ロビン・ダンパーが提唱した、人が安定的な社会関係を維持できる人数の上限であり、100人から150人とされている。ダンパー数以下である会社は組織がフラットな状態でも比較的安定的に運営できることが多いが、ダンパー数を超えた場合、組織階層が増え、情報共有が困難になり、意思決定にも遅延がでてくる。人が増えれば能力の差も生まれるし、意見の対立や価値観の違いも発生する。だからこそ管理をする管理職が会社には必要なのだ。
 誰もが知る大企業グーグル。創業からわずか3年で数百人という社員を抱えていた。創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは緩やかな体制を好み開発部門の管理職制度を撤廃しフラットな組織に変更した。しかし、最初はうまくいったものの徐々に社員に異変が起こっていく。理由はエンジニア達の願いだ。エンジニア達は「自分を成長させてくれる人や議論に決着をつける人が必要。」と願うものが多かった。管理職を廃止したことで、社員同士の対立や離職率が高まり、社員間の調整が困難になったのだ。創業者の二人は考えを改め、わずか1年で管理職を元に戻した。